ホテルに予約なしで泊まることをホテル業界用語でウォークインと言います。ホテルは空室があればわざわざ予約をせずとも宿泊させてくれることがあるんです。
ですがこのウォークイン、実はあまりオススメできません。いくら急だからと言っていきなりホテルに行くのは避けたほうが良いかもしれません。
本ページではそんな「ウォークイン」について現役ホテルマンが詳しく解説していきます。
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ウォークインとは

ウォークイン:Walk-in
予約なしで宿泊を希望し、直接フロント・カウンターに来ること
ちなみに別の言い方でゴーショー、ノーショーというものがあります。
ゴーショー:Go-show
予約があったにもかかわらず、何かしらの理由でキャンセルされた状態で当該ゲストがホテルに来ること。
ノーショー:No-show
予約があるにも関わらず当該ゲストがホテルに来ないこと。

このウォークイン、使えないわけではないです。
ホテル側としては少しでも収益を出したいのは本音。部屋が極端に余っているなど、理由によってはウォークインでも受け入れてもらえます。
またビジネスホテルは終電を逃してしまったサラリーマンの方々が泊まることを想定しているため、むしろ受け入れることが慣習になっている場合があります。
ウォークインがオススメできない理由
ウォークイン、予約をせずにホテルに行くのは場合によってデメリットになりえることがあります。急な場合を除き、極力ウォークインは避けたほうが無難です。
ウォークインのデメリット
- 信用がなく空きがあるにも関わらず断られる可能性がある
- チェックイン、チェックアウトに時間がかかる
- 値段が高くなる
信用がなく空きがあるにも関わらず断られる可能性がある
フロントスタッフの仕事の一つに信用できる人か見極めるというものがあります。
実際に合った話ですが、泥酔したウォークインゲストに部屋の家具を壊されてしまったことがあります。
また支払いをせずそのままスキップ・アウトをするお客様もいました。
スキップ・アウトskip out
支払いをせずにホテルを立ち去ること
こういったことを未然に防ぐため、ホテルのフロントスタッフはお客様を「選ぶ」裁量権が付与されています。
よってたとえ部屋に空きがあっても時と場合によっては宿泊を断られてしまうことがあります。
予約をしているゲストは基本的に断りません。
予約の段階でクレジットカードや個人の情報をある程度伺っていますよね。なにかあればその信用情報をたどって具体的措置を行えるからです。
チェックイン、チェックアウトに時間がかかる
仮に宿泊を認められた場合でも、「信用」を得るためにデポジットだったりオーソライゼーションを取られます。
デポジット:deposit
宿泊代金の全額、または一部を前もって預かること

オーソライゼーション:authorization
提示されたクレジットカードが使えるかを確認するために、チェックイン時に一度「仮チャージ」をすること

オーソライゼーションは仮に宿泊代金が5万円だとすれば、飲食代を含む10万円前後のクレジットカードの枠をあらかじめ差し押さえること。
これは予約をしている人であっても会員ではない場合など、取っといたほうが安心である場合は取られます。
一概にウォークインだからといってチェックイン、チェックアウトに時間がかかるわけではありません。
ですがフロントスタッフによってはマネージャーに泊まらせても良いか確認したりと時間がかかる場合が多いです。
値段が高くなる
ウォークインであれば基本的に割引は適用されません。むしろ、通常よりも高い金額を請求される場合があります。
これはフロントスタッフが「お客様を選ぶ」権利があると同時に「宿泊金額を決める」権利も持っているからです。
特に「スイート」しか空いていない場合、フロントスタッフが通常よりも高い金額でお部屋を売ればその分インセンティブを受け取ることができます。
インセンティブ
成果によって与えられる特別報酬のこと
よって「高い」金額になってしまうのです。
急にホテルを使わなければならないとき
ホテルはスタッフが常駐しているためどんなに遅くても電話をして予約を取りましょう。予約サイトでも当日分のお部屋が出ていれば予約が取れます。
予約さえとってしまうばホテル側が宿泊を断ることはありません。料金に関しても、フロントスタッフに押し売りされるよりは格段に安いです。

予約をしてからホテルへ行こう

ウォークインのデメリット
- 信用がなく空きがあるにも関わらず断られる可能性がある
- チェックイン、チェックアウトに時間がかかる
- 値段が高くなる
ホテルはお客様との信用で成り立っている部分が多いです。
部屋の中に監視カメラなんてのはもってのほかですし、一つ一つを決めていたら自由にリラックスなんてできません。
よって「選ぶ」権利があります、それによって他のお客様を守るわけです。ホテルを利用する際は、しっかり予約をした上でホテルを利用しましょう。