Column

ホテルを利用する全ての人へ

Dear all

いつもホテル、旅館、その他宿泊施設をご利用頂き誠にありがとうございます。

各方面を代表しまして感謝申し上げます。

毎日お客様の笑顔を見たり、プロポーズを見届けたり、お客様にとっての特別な時間を一瞬でも共有して過ごさせていただくことでささやかな達成感だったり、幸せを感じております。

またこれからもホテル、旅館、その他宿泊施設をご利用頂ければ幸いでございます。

 

さて、ホテルでお客様の笑顔を見る回数が多くなってきている傍ら、各スタッフの悲しむ顔を見る機会もまた増えているように感じます。

清掃スタッフ、フロント、予約スタッフ、その他多くの者が嘆いております。

その多くがお客様の横暴な態度であったり、部屋の乱雑な使い方であったり、粗雑な予約であったり、ホテルを「勘違い」していらっしゃるようです。

もちろんホテルは現在、ランクや種類が多様化しており、お客様それぞれにとって使用目的が違います。

普段味わえない非日常を味わうため、大切な人と過ごすため、ビジネス、その他使用される人の数だけ多種多様な使い方があります。

しかし、お客様の中にはホテル使用の枠を超えた悪意ある使い方をしている方が一定数見受けられます。

是非ともホテルの声、善意あるお客様の声に耳を傾け、今一度ホテル利用を見つめ直して頂けることを心より願っております。

ホテルマンから皆様へ

ホテルやゲストハウス、その他宿泊施設を利用するにあたり「お金を払っているのだから何をしたって良いだろう」「お客様は神様だろ」といったある種横暴で聞く耳を持たないお客様がいらっしゃいます。

もちろん時にはホテル側のミス、スタッフ個々人の配慮が欠けておりお客様にご迷惑をおかけする場面も多々あるのは承知しております。

ですが現在、特にホテルなどの規模が大きい宿泊施設ではそういったホテル側のミスではなく、お客様側の配慮がないために次に宿泊されるお客様にご迷惑をおかけするといった事態に直面することが多くなってきているように感じます。

この記事を書くにあたり、そういった悪意あるお客様はそもそもこのような記事を見ず、海外のお客様では日本語が理解できず、いちホテルマンがこのような警笛を鳴らしても無意味だと思われる方も多いと思います。

私自身、この声がどれだけのお客様に届くかいささか疑問ではありますが、せめてこの記事を見ていただいた方々が利用法を見つめ直し、周りにいるホテルを軽視している方々へホテル側がどれだけ困っているのか、どれだけ大変な思いをしているのか伝えていただければと思っております。

また宿泊施設ではそれぞれ一定のルールを設けております。

チェックインやチェックアウト、部屋の使用法、挙げればキリがないものです。

わかりにくいものに関してはお部屋にある宿泊約款(ホテルのルールを記載してある本)やチェックイン時に渡される紙に記載がありますが、当たり前だと思われるものに関しては載っていません。

もちろんホテル側がこういった当たり前のルール、暗黙の了解だと思っているものを記載しないことが原因の一つであると思います。

ではなぜ書かないのか。

それはお客様を信頼しているからです。

私はホテルというのはお客様との信頼で成り立っているものだと思っています。

予約をしてくださったのであればその準備をします。(来ないことは考えず)

お部屋に髪の毛が落ちていたのであれば謝罪、清掃します。(お客様の偽装とは考えず)

そういった信頼を裏切られることが度々あります。

それはとても悲しいことであることをご理解頂きたい。

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いくつかのお願い

そこでいちホテルマンの私よりホテル利用にあたって皆様へいくつかお願いがございます。

これは宿泊約款、ルールブックにも載っていない当たり前のことです。

ご理解いただければ幸いでございます。

部屋のこと

「綺麗に」使いましょう

お部屋を綺麗にお使い下さい。

当たり前のことです。

ですが守れないお客様がいることも事実です。

バスルームに汚物がある、絨毯が蝋燭のロウで固まっている、テレビが破壊されている、禁煙ルームにもかかわらずタバコのにおいがする、クローゼットに尿をされている、家具が壊されている、ベッドが異様に濡れている、掛け布団から羽毛が飛び散っている。

挙げればキリがありません。

部屋で何をしているのかある程度想像はできます。

するなとは言いません。

ホテルを利用するにあたりその目的はある程度自由です。

ですが限度はあります。

その限度はどの種類のホテルでも適用されます。

決してお金を払っているから何しても良いわけではないのです。

ご理解ください。

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貸出品の持ち帰り

よくホテルの備品を持ち帰るお客様がいらっしゃいます。

アダプター、充電器、ケトル、ドライヤー、スピーカー、コーヒーマシーン、バスローブやタオル。

こういった備品は決してお客様に差し上げる物ではなく、次に宿泊するお客様のために再度洗浄し使う物です。

消耗品ではありません。

シャンプーなどのアメニティはもちろん持ち帰り可能ですが、備品に関しては申し訳ありませんがお断りしております。

もちろんホテルに責任があるのも重々承知しております。

持ち帰ってしまうのであれば、その対策をすれば良いじゃないか、と。

それではチェックアウト時に荷物検査をしますか?

またケトルやドライヤー、スピーカーに鎖をつけ盗まれないようにしますか?

それではどこか閉鎖的でせっかくのホテルステイが楽しめないでしょう。

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フロントにて

スタッフへの態度

チェックイン時、アウト時少々横暴なお客様が見受けられます。

フロントスタッフ、その他ホテルスタッフが何かしら気分を害したのであれば別ですが、お客様からの一方的な暴言ですとか、中には女性スタッフに対し「セクハラ」のような発言をされるお客様もいらっしゃるようです。

こういったものを今世間では「カスタマーハラスメント」と言うそうです。

申し訳ありませんがホテルマンも「人」です。

「なんでも屋」ではないのです。

お客様の要望を全て叶えることができるのであれば喜んで叶えますができない時もあります。

それを全てスタッフのせいにして、八つ当たりするのはどうかおやめください。

お客様は神様ではないのです。

もしお客様が神様なのであれば、私たちホテルマンはお客様にこう願うことでしょう、

「神よ、これ以上来ないでくれ」と。

予約について

ノーショー

予約をしたにも関わらずホテルにご来館されないことをノーショー:No-Showと呼びます。

ノーショーはホテルによって、また予約サイトによって対応が様々ですが、最悪の場合、全額を返金しております。

規模が大きいホテルでは毎日のようにノーショーがあります。

他で収益を出しているのでたいした問題になりません。

しかし規模が小さいホテル、ゲストハウスでは大問題となっております。

10室しかないホテル、ゲストハウスでノーショーが5部屋あれば収益は半分になります。

またノーショーも1つの予約です。

もし満室の場合、あらかじめ来ないとわかっていればその分を他のお客様に充てがうことが出来ます。

泊まりたいと思って頂いたお客様にお部屋を提供することが出来ます。

ノーショーはその数だけ潜在顧客への機会損失へつながっているのです。

どうかご一報ください。

本当に泊まりたいお客様へお部屋を譲ってあげてください。

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最後に

何度も言うようですが、ホテルに過失があれば別です。

すぐにでも駆けつけ、全力で問題に取り組みます。

また全てのお客様がこういった横暴で、乱雑な使い方をしないことも知っています。

私達と同じように、ホテルが好きで来てくれる。

それはとてもありがたいことです。

一握りのお客様、その人達の悪意ある利用法がホテルの品質を下げ、他のお客様へご迷惑をおかけしているのです。

どうかご理解下さい。

その上で改めてホテルへ来て下さい。

私達ができる限りのおもてなしをさせて頂きます。

近い将来、皆が笑顔でくつろげるホテルになるよう心から願っております。

Butler

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